CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)とは、炭素繊維強化プラスチックです。炭素繊維の複合材は、テニスラケット、ゴルフクラブ、補綴装置、そして最近では航空機にも用いられています。航空機を例に挙げると、ボーイングやエアバスの複合材翼、スパー、ストラット、尾翼部などに、アルミではなくより機能性の高い素材として、CFRPが採用されています。従来のフライス加工やルーター加工などで複合材を切断すると、層間剥離、微小亀裂、ウィスカ、繊維の引き抜きなどの様々な問題が発生しますが、ウォータージェットならそのような問題が発生しません。
軽量でありながらも鉄鋼のように高い強度と、ゴムのようにしなやかさを持つ最先端の複合材は、超音速飛行でのストレスにも耐えることができます。しかし、非常に強度が高く頑丈である反面、それらを加工することは極めて困難です。それにも関わらず複合材料技術者は、今後も従来の機械加工の能力を超える、新しい画期的な複合材を生み出していきます。
近年まで、複合材は、ダイヤモンドやカーバイドチップのフライス加工やルーター加工、バンドソー、カットオフソー、研削砥具などの従来の加工法で加工されていました。しかし、複合材には素材の構造や繊維配向の関係で、その従来の加工法で加工すると、熱影響部が形成されたり、層間剥離や微小亀裂などの損傷が生じてしまいます。さらに、加工速度は遅く、多くの場合、費用の掛かる二次加工が必要となります。
複合材は、様々な形で使用されており、例えば高温のエンジン部には、繊維強化金属(金属マトリックス複合材)が採用されています。技術者は、より高い強度で、より優れた柔軟性と耐熱性を持ちながら、どうやって材料を軽量化するかを日々研究しています。高い機能性を持つ一方で、複合材は難削材とも言われています。しかし、Flowのウォータージェットであれば、素材に影響を及ぼすことなく、高速で、高精度な加工が実現できるのです。